所得控除一覧2026|個人事業主が使う15種を実例解説

確定申告の季節になるたびに「所得控除って全部で何種類あるの?」と焦る方は多いはずです。私もかつて同じでした。AFP資格を持ちながら、個人事業主として初めて申告した年に3つの控除を申請し忘れ、数万円を余分に納税した苦い経験があります。2026年版の所得控除一覧と、個人事業主が実際に使える15種類を実例つきでまとめましたので、申告前に必ず確認してください。

  1. 所得控除と税額控除の違い|2026年の個人事業主が最初に知るべきこと
    1. 「所得から引く」か「税額から引く」か——仕組みの違いが節税額を左右する
    2. 個人事業主が使える所得控除15種類の一覧
  2. 基礎控除など人的控除7種|2026年の金額と適用条件
    1. 基礎控除48万円は「全員もらえる」わけではない——所得制限に注意
    2. 配偶者控除・扶養控除は「同居」より「所得要件」を先に確認する
  3. 社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除|個人事業主の節税の核心
    1. 国民健康保険料・国民年金保険料は全額控除——証明書を必ず保管する
    2. 小規模企業共済等掛金控除は個人事業主の「退職金」と節税を同時に実現する
  4. 医療費控除・寄附金控除など実費系控除|領収書管理が申告を決める
    1. 医療費控除は「10万円の壁」より計算の仕組みを正確に理解する
    2. ふるさと納税(寄附金控除)は確定申告で申請すると控除効果を正確に把握できる
  5. 私が見落とした3つの控除実例|AFP歴5年でも気づかなかった盲点
    1. 地震保険料控除・生命保険料控除を「会社員時代の感覚」で申告していた
    2. 障害者控除と寡婦・ひとり親控除は「自分には関係ない」と思い込むと損をする
  6. まとめ|2026年確定申告前に個人事業主が確認すべきポイントと行動ステップ
    1. 所得控除15種類の申請漏れを防ぐチェックリスト
    2. 確定申告の手間を減らして控除漏れゼロを目指す

所得控除と税額控除の違い|2026年の個人事業主が最初に知るべきこと

「所得から引く」か「税額から引く」か——仕組みの違いが節税額を左右する

所得控除と税額控除は名前が似ていますが、計算の位置がまったく異なります。所得控除は「課税所得を減らす」もの、税額控除は「計算後の税額そのものを減らす」ものです。

具体的に言うと、所得控除が10万円増えた場合、税率20%の方なら節税額は2万円です。一方、税額控除が10万円あれば、そのまま10万円の節税になります。税額控除のほうがインパクトは大きいですが、個人事業主が使える控除の大半は所得控除側です。だからこそ、所得控除を一つでも多く拾い上げることが、確定申告における節税の基本になります。

2026年現在、所得税法上の所得控除は全15種類。私はAFP取得の勉強をしていたおかげで制度の全体像は頭に入っていましたが、「知っている」と「申告書に正しく反映できる」は別の話だと痛感しています。

個人事業主が使える所得控除15種類の一覧

以下に2026年時点の所得控除15種類を整理します。個人事業主として実際に申告書に反映できる項目に絞って解説していきます。

  • ①基礎控除(最大48万円)
  • ②配偶者控除
  • ③配偶者特別控除
  • ④扶養控除
  • ⑤障害者控除
  • ⑥寡婦控除・ひとり親控除
  • ⑦勤労学生控除
  • ⑧社会保険料控除
  • ⑨小規模企業共済等掛金控除
  • ⑩生命保険料控除(最大12万円)
  • ⑪地震保険料控除(最大5万円)
  • ⑫医療費控除
  • ⑬セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
  • ⑭寄附金控除(ふるさと納税など)
  • ⑮雑損控除

①〜⑦が「人的控除」、⑧〜⑪が「保険・共済系控除」、⑫〜⑮が「実費系控除」という分類で頭に入れておくと、申告書の記入漏れを防げます。

基礎控除など人的控除7種|2026年の金額と適用条件

基礎控除48万円は「全員もらえる」わけではない——所得制限に注意

基礎控除は2020年の税制改正で38万円から48万円に引き上げられ、2026年も引き続き最大48万円です。ただし、合計所得金額が2,400万円を超えると段階的に縮小し、2,500万円超でゼロになります。フリーランスや個人事業主の多くは2,400万円以下に収まるため、実質的に全員が48万円の控除を受けられると考えてよいでしょう。

私が総合保険代理店に勤めていた頃、個人事業主のクライアントから「基礎控除は申告しなくていいんですよね?」と聞かれたことがあります。確定申告の場合は基礎控除申告書への記入が必要で、書き忘れるとそのまま控除が反映されないケースもあります。自動計算してくれる会計ソフトを使うのが安全です。

配偶者控除・扶養控除は「同居」より「所得要件」を先に確認する

配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が48万円以下(給与収入換算で103万円以下)の場合に適用できます。配偶者の所得が48万円を超えても133万円以下であれば、配偶者特別控除として段階的に控除が受けられます。

扶養控除は16歳以上の扶養親族が対象で、一般の扶養親族なら38万円、特定扶養親族(19〜22歳)なら63万円の控除が受けられます。フリーランスとして独立した直後は収入が不安定で、親を扶養に入れることを検討するケースもあります。私自身、独立1年目に父の医療費負担が増えた際に扶養控除の要件を改めて調べ直しました。「仕送りをしている」だけでなく、所得要件を満たしているかどうかの確認が先決です。

社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除|個人事業主の節税の核心

国民健康保険料・国民年金保険料は全額控除——証明書を必ず保管する

社会保険料控除は、その年に実際に支払った社会保険料の全額が控除対象になります。個人事業主が支払う国民健康保険料・国民年金保険料・介護保険料はすべて対象です。会社員時代と違い、個人事業主は自分で全額を負担するため、この控除額はかなりの金額になります。

東京都内で民泊事業を始めた最初の年、国民健康保険料の通知が来た時に金額の大きさに驚きました。前年の法人役員報酬をベースに計算されるため、切り替え直後は想定外の負担になることがあります。ただし、その全額が所得控除になると思うと、確定申告でしっかり反映させることの重要性を実感しました。証明書は1月下旬に届く「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が必要なので、紛失しないよう注意してください。

小規模企業共済等掛金控除は個人事業主の「退職金」と節税を同時に実現する

小規模企業共済等掛金控除は、支払った掛金の全額が所得控除になります。対象は小規模企業共済・iDeCo(個人型確定拠出年金)・企業型DCの個人負担分などです。

小規模企業共済の月額掛金は1,000円〜7万円の範囲で設定でき、年間最大84万円を控除できます。iDeCoと組み合わせると、個人事業主なら年間最大で約100万円超の掛金控除が狙えます(一般的な目安です。個人の所得状況により異なります)。

私は独立2年目からiDeCoを月5万5,000円(個人事業主の上限)で積み立てており、年間66万円が所得控除になっています。所得税率や住民税率との兼ね合いで節税効果が変わりますので、詳細は税理士への相談を推奨しますが、「まだ始めていない」という方は優先度が高い控除です。法人化せず節税できる10の方法|フリーランス必読

医療費控除・寄附金控除など実費系控除|領収書管理が申告を決める

医療費控除は「10万円の壁」より計算の仕組みを正確に理解する

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に超過分を所得控除にできる制度です。控除額は「(実際に支払った医療費の合計)-(保険金などで補填された金額)-(10万円または総所得金額等の5%のいずれか少ない額)」で計算します。

総所得が200万円未満の場合は「総所得の5%」が足切りラインになるため、所得が低い年ほど医療費控除が使いやすくなります。交通費(電車・バスの実費)も医療費に含まれますが、領収書が出ないため通院記録を手帳やアプリでメモしておく必要があります。私は通院のたびにスマホのメモアプリに日付と金額を記録する習慣をつけています。

なお、セルフメディケーション税制(特例)は、市販薬の購入費が1万2,000円を超えた場合に超過分(最大8万8,000円)を控除できる制度です。通常の医療費控除との併用はできませんので、どちらが有利かを比較してから選択してください。

ふるさと納税(寄附金控除)は確定申告で申請すると控除効果を正確に把握できる

ふるさと納税は「ワンストップ特例制度」を使うと確定申告不要で完結しますが、個人事業主は確定申告が必須のため、寄附金控除として申告するほうが実態に合っています。

寄附金控除額は「(寄附金額)-2,000円」が所得控除になります。住民税からの控除分も合わせると、実質的な自己負担は2,000円になるという点は広く知られていますが、所得に応じた寄附上限額を超えると自己負担が増えます。上限額は総務省のシミュレーターや各ふるさと納税サイトで試算できます。開業1年目の確定申告|注意すべき5つのポイント

私が民泊事業の法人を立ち上げた年、個人の所得が大きく変動し、例年どおりの金額でふるさと納税をしたところ上限をやや超えてしまいました。所得が変動しやすい個人事業主は、年末ギリギリに入金額を確認してから寄附額を確定するのが安全です。

私が見落とした3つの控除実例|AFP歴5年でも気づかなかった盲点

地震保険料控除・生命保険料控除を「会社員時代の感覚」で申告していた

保険代理店で働いていた頃、フリーランスのクライアントから「生命保険料控除は年末調整でやってもらっていたから、確定申告でどこに書くか分からない」という相談を何度も受けました。会社員時代は年末調整がすべて自動処理されるため、控除証明書を出せば完了でした。しかし個人事業主になった後は、自分で申告書の第一表・第二表に記入しなければなりません。

私自身も独立1年目、生命保険料控除証明書を手元に持ちながら申告書への転記を忘れるという初歩的なミスをしました。生命保険料控除の上限は一般・介護・年金の3区分それぞれ4万円ずつ、計最大12万円です。地震保険料控除は最大5万円(長期損害保険料は最大1万5,000円の経過措置あり)。どちらも少額に見えても、所得税率が高い方には無視できない金額です。

障害者控除と寡婦・ひとり親控除は「自分には関係ない」と思い込むと損をする

障害者控除は本人だけでなく、扶養している家族が障害者に該当する場合にも適用できます。控除額は一般障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円(2026年現在)です。「障害者手帳を持っている家族がいる」という事実を申告書に反映させていないケースは、保険代理店時代にも実際に見てきました。個人を特定できない形でお伝えすると、扶養している親御さんが特別障害者に該当するにもかかわらず、数年間にわたって控除を適用していなかった事業主の方がいました。更正請求で過去5年分を遡って還付申請できたケースです。

ひとり親控除は2020年の税制改正で新設された控除で、婚姻歴の有無にかかわらず「生計を一にする子(総所得48万円以下)がいる未婚・離婚・死別の親」が対象になります。控除額は35万円です。寡婦控除(27万円)と合わせて、制度改正後に適用要件が広がっている点を見落とさないようにしてください。

まとめ|2026年確定申告前に個人事業主が確認すべきポイントと行動ステップ

所得控除15種類の申請漏れを防ぐチェックリスト

  • 基礎控除(48万円)を申告書に記入しているか
  • 配偶者・扶養家族の所得要件を今年の数字で確認したか
  • 国民健康保険料・国民年金の控除証明書を手元に揃えたか
  • iDeCo・小規模企業共済の掛金払込証明書を確認したか
  • 生命保険料・地震保険料控除証明書を申告書に転記したか
  • 医療費の領収書と通院交通費の記録を合計したか
  • ふるさと納税の寄附金受領証明書を保管しているか
  • 扶養家族に障害者控除の対象者がいないか確認したか

これだけの項目を手作業で管理しようとすると、ミスが起きやすくなります。私が現在使っているのは、銀行口座・クレジットカードと連携して支払いを自動で仕分けしてくれる会計ソフトです。控除証明書の入力欄も整備されており、入力漏れに気づきやすくなっています。

確定申告の手間を減らして控除漏れゼロを目指す

所得控除の申請漏れは、申告期限後5年以内であれば更正請求で取り戻せます。しかし毎年の申告を正確に完了させるほうが、精神的にも経済的にも負担が少ないのは言うまでもありません。

AFP・宅建士として資金相談に関わってきた立場から率直に言うと、個人事業主の節税で取りこぼしが多いのは「知識不足」よりも「作業の煩雑さによる見落とし」です。会計ソフトで日々の記録を自動化し、確定申告の入力画面で控除項目を一つずつ確認する流れを習慣にすれば、本記事で紹介した15種類の控除を漏れなく活用できます。

申告書の入力作業を大幅に省力化したい方には、銀行・カード連携から確定申告書の自動作成まで対応しているクラウド型の会計ソフトを試してみることを勧めます。まずは無料プランで自分の申告規模に合うか確認してみてください。

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筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・フリーランスの資金相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、インバウンド向け民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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