freee会社設立を選ばなかった私|3サービス比較で見えた決め手

「freee会社設立の評判が良いから、とりあえずfreeeでいいか」と思っていませんか。私も法人設立を検討し始めた当初はそう考えていました。しかし、freee・マネーフォワード・弥生の3サービスを徹底的に比較した結果、最終的に別の選択をしました。会社設立サービス比較の落とし穴と、法人設立費用を左右する見落としポイントを実体験から解説します。

freee会社設立の評判を再検証:数字で見る実態

「無料」の範囲はどこまでか

freee会社設立は、書類作成そのものを無料で提供している点が広く知られています。実際に私も2026年初頭に法人設立を進めた際、最初にfreeeの公式サイトを開きました。書類作成ウィザードは確かに整っており、質問に答えるだけで定款ドラフトが生成される仕組みは完成度が高いと感じました。

ただし「無料」が指すのはあくまで書類作成ツールの利用料です。公証人手数料(株式会社の場合、電子定款なら約3万円前後が一般的な目安)、登録免許税(資本金額の0.7%、最低15万円が一般的な目安)、司法書士への依頼費用などは別途かかります。この点は他サービスも同様であり、freeeだから特別に安いわけではありません。

保険代理店に勤めていた頃、「freeeで無料で会社が作れると聞いた」と相談に来た個人事業主の方が複数いました。実際の法人設立費用の総額を伝えると、多くの方が驚いていた記憶があります。「無料」という言葉の意味を正確に把握することが、会社設立サービス比較の第一歩です。

freee会社設立のデメリットとして見えてきた点

freee会社設立のデメリットとして私が感じたのは、主に2点です。1つ目は、設立後にfreeeの会計ソフトへの誘導が前提となっている設計であること。ウィザード完了後の画面導線がfreee会計への登録を強く意識したつくりになっており、会計ソフトをまだ決めていない段階で「もう決まり」という印象を与えられます。

2つ目は、電話サポートの敷居です。freeeはチャットサポートを中心に設計されており、複雑な個別質問を電話で素早く解決したい場合は、有料プランへのアップグレードが必要になるケースがあります。私は民泊事業という比較的特殊な業態での法人設立だったため、定款の事業目的の書き方について電話で細かく確認したい場面がありました。この点で、freeeは私のニーズに完全には合いませんでした。

定款認証で差が出た実体験:私が直面したリアル

電子定款対応の差が法人設立費用を左右する

2026年1月、私は東京都内でインバウンド向け民泊を運営するための法人を資本金100万円で設立しました。AFP・宅建士として資金計画の知識はあるつもりでしたが、定款認証の細部でつまずいた経験があります。

株式会社の設立では、定款を公証役場で認証してもらう必要があります。紙の定款の場合は収入印紙代4万円がかかりますが、電子定款にすればこの費用を節約できます。freee・マネーフォワード会社設立・弥生会社設立のいずれも電子定款作成に対応していますが、対応方法に差があります。

弥生会社設立は、提携している専門家(司法書士・行政書士)が電子定款作成を代行してくれる仕組みが整っており、私のような「定款の事業目的の表現に迷う」ケースでも電話で確認しながら進めることができました。民泊業(住宅宿泊事業法に基づく届出)を事業目的に含める際の文言についても、担当の専門家にその場で相談できたのは大きな安心感でした。

民泊法人設立で痛い目を見かけた瞬間

実際に定款の事業目的を作成する際、「住宅宿泊事業」という表現だけで十分かどうか迷いました。旅館業法の許可が必要な事業なのか、住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出で足りる事業なのかで、定款の記載が変わり得るからです。私は宅建士の資格を持っているため不動産関連の法令には一定の知識がありましたが、法人の定款表現は専門家の確認が不可欠だと改めて感じました。

この時、もし電話サポートがない状態でチャットだけで進めていたら、事業目的の記載が曖昧なまま定款認証に進んでいたかもしれません。後から定款を変更するには株主総会決議と登記変更が必要で、追加コストが発生します。事業内容が標準的でない場合は、サポートの手厚さが法人設立費用の総額を実質的に左右すると体感しました。

3サービスの初期費用とサポート体制を横並びで見る

費用構造の比較:どこが違うのか

freee会社設立・マネーフォワード会社設立・弥生会社設立の3サービスは、いずれも書類作成ツール自体の利用は原則無料です。ただし、設立後に連携する会計ソフトの月額費用が実質的なコストになります。

  • freee会計:スタータープランで月額1,480円〜(税抜・一般的な目安)
  • マネーフォワード クラウド会計:スモールビジネスプランで月額2,980円〜(税抜・一般的な目安)
  • 弥生会計オンライン:セルフプランで月額1,408円〜(税抜・一般的な目安)

月額の差額は数百円から数千円ですが、年間換算・複数年で見ると無視できない金額になります。法人設立費用の「初期」だけでなく「ランニングコスト」まで含めて比較することが重要です。なお、各サービスの料金は変更される場合がありますので、公式サイトで最新情報を確認してください。

サポート体制の本音比較:電話が使えるかどうか

私が3サービスを検討した際に特に重視したのは、設立手続き中に電話で専門家と話せるかどうかでした。法人化せず節税できる10の方法|フリーランス必読

freeeは設立フローのUI完成度が高く、標準的なケースであれば電話サポートなしでも完結できます。一方で、私のような特殊ケースや、設立を急ぐ状況では、チャット対応だけでは不安が残りました。マネーフォワード会社設立も同様の傾向があります。

弥生会社設立は、提携専門家との連携による電話相談が設立フロー内に組み込まれており、この点が私の判断に大きく影響しました。ただし、これはあくまで私の状況に合っていたというものであり、シンプルな業種・標準的な定款内容であればfreeeやマネーフォワードで十分対応できると考えます。個人差がありますので、自身のビジネスモデルの複雑さを基準に選ぶべきです。

最終的に私が弥生を選んだ理由と、見えてきた各社の特性

私が弥生会社設立を選んだ4つのポイント

結論として、私は弥生会社設立を選びました。その理由を率直に書きます。

第1に、電話で専門家に相談できる体制が設立フロー内に標準で組まれていたこと。第2に、民泊という特殊業態の定款目的文言について、提携司法書士にその場で確認できたこと。第3に、弥生会計は私の前職(保険代理店時代)に複数の個人事業主クライアントが使っており、操作感に慣れていたこと。第4に、設立後の確定申告・決算業務まで含めたトータルコストが、私のビジネス規模では許容範囲内だったことです。

ただし、これは「弥生が誰にとっても有力な選択肢」という意味ではありません。クラウド連携の自動化を重視するなら、freeeやマネーフォワードに優位性があります。特にfreeeはAPI連携の豊富さで知られており、複数の決済サービスやECプラットフォームと接続する場合には選択肢として検討する価値があります。

freeeが向いている人、マネーフォワードが向いている人

保険代理店時代に多くの個人事業主・フリーランスの方の資金相談を担当した経験から言うと、会社設立サービスの選び方は「設立後にどの会計ソフトを使うか」から逆算するのが合理的です。開業1年目の確定申告|注意すべき5つのポイント

freeeが向いているのは、ITリテラシーが高く、クラウド上のワークフローを完結させたい方です。特にフリーランスからの法人化で、既にfreeeの個人プランに慣れている場合は、freee会社設立からそのまま移行するのがスムーズでしょう。

マネーフォワード会社設立が向いているのは、マネーフォワード クラウドシリーズを一括で導入したい方です。給与計算・経費精算・請求書発行をまとめて管理したい場合、設立段階からマネーフォワードで統一しておくと、後々の管理コストを抑えやすくなります。特にスタッフを雇用する予定がある法人には、クラウド給与との連携が効いてきます。

弥生は、専門家サポートを重視する方や、会計ソフトの操作に慣れていないフリーランス初の法人化に向いています。サポート体制の安心感を優先する場合には、検討する価値があるサービスです。

まとめ:3サービス比較で見えた本当の決め手

freee・マネーフォワード・弥生を選ぶ際のチェックポイント

  • 設立後に使う会計ソフトを先に決め、同系列の設立サービスを選ぶと連携コストが低い
  • 事業目的が特殊・複雑な場合は、電話で専門家に確認できるサービスを選ぶ
  • 法人設立費用の「初期費用」だけでなく、会計ソフトの年間ランニングコストまで試算する
  • freeeのデメリットは電話サポートの敷居であり、標準的な業種なら気にならないケースも多い
  • マネーフォワード会社設立は給与・経費・請求書を一括管理したい法人に親和性が高い
  • 弥生は設立手続き中の専門家サポートを重視する方に向いている

設立後の確定申告まで見据えた選択を

法人設立は「設立して終わり」ではありません。設立後の決算・確定申告・記帳管理が毎年続きます。私は民泊法人を設立した後、初年度の決算処理で想像以上に時間を取られました。民泊特有の収益計上タイミングや、インバウンド旅行者からの外貨建て収入の処理など、会計ソフトの自動化機能に頼りたい場面が何度もありました。

フリーランス・個人事業主として法人化を検討している方には、設立サービスの選定と同時に、設立後の会計ソフト選びも並行して進めることを強くお勧めします。専門家への相談も適切に活用してください。特に確定申告の自動化を重視するなら、銀行口座・クレジットカードの明細を自動取得して仕訳を効率化できるクラウド型ソフトを早い段階で導入しておくと、決算時の作業負担が大きく変わります。

設立後の会計業務を効率化したい方は、まず以下から無料で試してみることをお勧めします。

無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告

筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・フリーランスの資金相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、インバウンド向け民泊事業を運営中。フリーランス・個人事業主・法人の資金調達事情を実務視点で多角的に解説する。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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