私が2021年3月にスマホ一台でマネーフォワード クラウド開業届を使って開業届を提出した時の話から始めます。当時、税務署の窓口に並ぶ時間を惜しんでアプリを選んだのですが、初回はマイナンバーカードの読み取りで30分近くつまずきました。同じ失敗をあなたにさせないために、開業届をスマホで提出する手順と落とし穴を、AFP・宅建士の私が実務視点で丁寧に解説します。
スマホ提出を選んだ3つの理由
税務署の窓口より圧倒的に時間効率が高い
私が開業届をスマホで提出しようと決めた一番の理由は、純粋に時間の節約です。東京都内の税務署は平日9時〜17時しか開いていません。当時の私は民泊物件の内装工事が佳境を迎えており、平日昼間に1〜2時間を確保するのは現実的ではありませんでした。
マネーフォワード クラウド開業届を使えば、スマホから24時間いつでも送信できます。私は2021年3月のある夜11時、作業の合間に提出を完了させました。郵送と違って控えの返送待ちも不要で、提出完了の通知が画面に表示された瞬間、正直ほっとしました。
個人事業主として開業するタイミングは、多くの場合「他にも準備することが山積み」な時期です。わざわざ窓口に足を運ばずに済むスマホ提出は、その選択肢として十分に検討する価値があります。
青色申告承認申請書も同時に送れる
もう一つの大きな理由は、開業届と青色申告承認申請書をセットでスマホから提出できる点です。保険代理店で働いていた頃、フリーランスになったばかりの相談者から「開業届は出したけど青色申告の申請を忘れていた」という話を何度も聞きました。
青色申告には最大65万円の青色申告特別控除という大きな税務メリットがあります(e-Tax利用かつ複式簿記の場合)。しかし、この申請は原則として開業日から2か月以内に行わなければなりません。開業届と一緒にまとめて提出できるマネーフォワードのアプリは、この「うっかり失念」を構造的に防いでくれます。
個人差はありますが、青色申告の適用を受けることは節税効果が見込まれる重要な手続きです。専門家への相談もあわせて検討してください。
マネフォ開業届の初期設定手順(私の実体験)
アカウント作成とマイナンバーカードの準備で詰まった話
マネーフォワード クラウド開業届は、マネーフォワードIDを持っていれば無料で利用を開始できます。私はすでにマネーフォワード MEのアカウントを持っていたので、そのIDでそのままログインできました。アプリのインストール自体は5分もかかりませんでした。
問題はその後です。e-Taxでスマホ提出をするには、マイナンバーカードとスマホのNFC(近距離無線通信)を使った読み取りが必要です。私のスマホはiPhone 12でしたが、最初はカードをどの位置に当てればいいかがわからず、何度もエラーを繰り返しました。
正解は「スマホの上部背面、カメラの少し下あたり」にカードを密着させることです。この一点を知っているかどうかで、セットアップにかかる時間が大きく変わります。iPhone 7以前、またはNFC非対応のAndroid端末では利用できないので、事前に自分のスマホのスペックを確認してください。
マイナンバーカードがない場合の代替手段
マイナンバーカードを持っていない場合でも、マネーフォワード クラウド開業届は利用できます。この場合は「印刷して持参または郵送」という形になりますが、入力フォームが非常にわかりやすく設計されているため、手書きよりはるかにスムーズに書類を作成できます。
私の経験では、総合保険代理店で相談を受けたフリーランスの方の中に、マイナンバーカードの申請が間に合わず印刷・郵送で提出したケースがありました。その方は「フォームに入力するだけで書類が完成するのが楽だった」とおっしゃっていました。スマホ完結にこだわらなくても、アプリを書類作成ツールとして使う価値は十分にあります。
なお、マイナンバーカードは申請から取得まで概ね1か月程度かかることが多いです。これから個人事業主になる予定がある方は、早めに申請しておくことをおすすめします。
スマホ提出の3ステップ実例
ステップ1〜2:入力と書類作成は15分で完了する
実際の操作手順をお伝えします。私が2021年3月に経験した流れです。
ステップ1:基本情報を入力する。氏名・住所・生年月日・職業(事業の種目)・開業日を入力します。開業日は「実際に事業を開始した日」を記入するのが原則ですが、過去1か月以内であれば遡って設定できます。私はコンテンツ制作を副業として開始した日を開業日としました。
ステップ2:青色申告承認申請書を同時作成する。マネーフォワードのフォームでは、開業届の入力途中に「青色申告承認申請書も作成しますか?」という確認画面が出ます。ここで「はい」を選ぶだけで、自動的に申請書も生成されます。この画面を見落とさないことが肝心です。
ステップ3:e-Taxでスマホ送信する
ステップ3:マイナンバーカードで署名して送信する。書類の確認画面でミスがないか確認したら、マイナンバーカードを使って電子署名を行います。スマホのNFCでカードを読み取り、暗証番号(数字4桁)を入力すると送信が完了します。
私の場合、送信完了画面が出るまでの総操作時間は約20分でした。そのうちの15分近くがマイナンバーカードの読み取りに費やした試行錯誤です。手順さえ把握していれば、入力から送信まで15分以内に収まる作業量です。
送信後は「受付結果」をe-Taxのメッセージボックスで確認できます。税務署での処理が完了すると通知が届くので、紙の控えがなくても提出の証明として活用できます。法人化せず節税できる10の方法|フリーランス必読
私がつまずいた5つの落とし穴
落とし穴①〜③:入力ミスとタイミングの罠
落とし穴①「職業の書き方が曖昧だった」。私は最初「ライター」と書いたのですが、より適切な表記は「文筆業」または「Webライター業」です。税務署の審査で問題になることは少ないものの、業種分類が後の確定申告に影響する可能性があります。具体的かつ正確に書くことをおすすめします。
落とし穴②「開業日を誤認していた」。開業届は開業日から1か月以内に提出するのが原則です。私は「アプリを使い始めた日」を開業日にしようとしてしまいましたが、正しくは「実際に事業収入が発生し始めた日、または事業活動を開始した日」です。曖昧な場合は、税理士や最寄りの税務署に確認することを推奨します。
落とし穴③「スマホのOSが古くてアプリが動かなかった」。知人のフリーランスが同じ手順でやろうとしたところ、iOSが古すぎてアプリが動作しなかったという話を聞きました。マネーフォワードのアプリは定期的に推奨OSバージョンが更新されます。事前にApp StoreまたはGoogle Playで動作要件を確認してください。
落とし穴④〜⑤:見落としやすい手続きの盲点
落とし穴④「青色申告承認申請書の提出期限を知らなかった」。青色申告承認申請書は、その年の確定申告から青色申告を適用するためには、原則として開業日から2か月以内(または1月1日〜1月15日に開業した場合はその年の3月15日まで)に提出しなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、その年は白色申告になります。開業届と同時提出が鉄則です。
落とし穴⑤「送信後の受付確認を怠った」。e-Taxで送信しても、受付が完了するまでに時間がかかることがあります。私は送信翌日にe-Taxのメッセージボックスを確認し忘れ、3日後に「受付エラー」の通知を発見してひやりとした経験があります。エラーの原因はマイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れでした。送信後48時間以内にメッセージボックスを確認する習慣をつけてください。開業1年目の確定申告|注意すべき5つのポイント
個人の状況によって手続きの詳細は異なります。不明点がある場合は税理士や管轄の税務署への相談を強くおすすめします。
青色申告と同時提出のコツ|まとめとCTA
スマホ提出で押さえるべき5つのポイント
- マネーフォワード クラウド開業届は無料で使えるが、マイナンバーカードとNFC対応スマホが必要(e-Tax提出の場合)
- 開業届と青色申告承認申請書は必ずセットで提出する。特別控除最大65万円(e-Tax+複式簿記の場合)は節税効果が見込まれる重要な制度
- マイナンバーカードの読み取り位置(スマホ上部背面)と暗証番号を事前に確認しておく
- 送信後は48時間以内にe-Taxのメッセージボックスで受付結果を確認する
- 開業日・職業欄の記載は曖昧にせず、実態を正確に反映させる。迷ったら税理士に相談する
確定申告もスマホ完結へ:マネーフォワードを使い続ける理由
私は2021年の開業届提出以来、5年近くマネーフォワードを使い続けています。開業届だけでなく、その後の日々の帳簿入力・確定申告書の作成・e-Tax送信まで、スマホとPCを使ってほぼ完結させています。民泊事業を法人として運営するようになってからも、個人事業主時代の記帳習慣が土台になっており、今でも感謝しているほどです。
AFPとして資金相談を受けてきた経験から言うと、フリーランス・個人事業主が最初につまずくのは「開業手続き」よりも「その後の帳簿管理」です。開業届をスマホで出したその勢いで、確定申告ソフトも最初から使い始めることを強くおすすめします。後から移行するより、最初から仕組みを作る方が圧倒的にラクです。
開業届の提出が済んだ方も、これから提出する方も、確定申告を見据えてマネーフォワードを早めに導入しておくことを検討してみてください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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