個人事業主の確定申告 初年度のやり方|AFP7ステップ実録

初めての確定申告を前に「何から手をつければいいのか」と途方に暮れていませんか?私がAFP(日本FP協会認定)として個人事業主・フリーランスの資金相談を担当してきた経験から言うと、初年度につまずく人の9割は「準備の順番」を間違えています。この記事では、個人事業主の確定申告 初年度のやり方を7つのステップに整理し、私自身の失敗談も交えながら実務ベースで解説します。

初年度申告の全体像と期限を押さえる

確定申告の期限と流れを年間カレンダーで確認する

個人事業主の確定申告は、毎年1月1日から12月31日の所得を翌年2月16日〜3月15日に申告するのが原則です。初年度は「いつ何をするか」のイメージが掴めないまま3月を迎えてしまうケースが非常に多いです。

私が保険代理店でフリーランスの相談を受けていた時、ある30代のWEBデザイナーの方が「開業して8か月が経って初めて確定申告の存在を意識した」とおっしゃっていました。その時点では帳簿がゼロの状態で、約10か月分のレシートを段ボール箱に積み上げていました。年明けから逆算すると、12月中に帳簿の骨格を作っておくことが、初年度を乗り越えるうえで現実的に重要な準備期間です。

白色申告と青色申告、初年度に選ぶべきはどちらか

初年度に頻繁に出る疑問が「白色と青色、どちらで申告すればいいか」という点です。結論から言うと、開業届と同時に青色申告承認申請書を税務署に提出できるなら、青色申告を選ぶべきです。

青色申告には10万円控除と65万円控除の2種類があります。複式簿記で帳簿を作り電子申告(e-Tax)を行えば、所得から65万円を差し引けます。仮に課税所得が200万円前後であれば、税率と住民税を合算すると年間で10万円以上の節税効果が見込まれます(所得額・家族構成により個人差があります。詳細は税理士にご相談ください)。白色申告でスタートしてしまうと、翌年度からしか青色申告に切り替えられないため、初年度の一年分の控除を逃すことになります。

開業届と青色申告承認申請、私がやらかした手続きミス

2021年3月の開業時に気づいた「申請期限」の罠

私が現在の法人を立ち上げる前、2021年3月に個人事業主として東京都内で活動をスタートさせました。その際、開業届は開業日から1か月以内に提出するよう所得税法で定められていますが、青色申告承認申請書には別の期限があることを直前まで知りませんでした。

青色申告承認申請書は、申告しようとする年の3月15日まで(新規開業の場合は開業日から2か月以内)に提出が必要です。私は3月10日に開業届を出し、翌週に申請書を提出しましたが、2か月のタイムリミットがあることをAFP資格の勉強で把握していたから間に合いました。知らなければ5月までのんびり構えていたはずで、その年の青色申告を丸ごと棒に振るところでした。

手続きはマイナンバーカードがあればe-Taxのオンライン申請で完結できます。税務署の窓口に並ぶ時間を節約できるため、積極的に活用することをおすすめします。

保険代理店時代に見た「開業届を出さずに3年が経過した」事例

総合保険代理店に在籍していた頃、個人で飲食関連のコンサルティングを請け負っていた40代の方の相談を受けたことがあります。その方は開業届を出さないまま3年間フリーランスとして活動しており、青色申告はもちろん、各種の小規模企業共済やiDeCoの法人向け制度も活用できていませんでした。

開業届は罰則がないため「出さなくてもいい」と思われがちですが、青色申告ができないことによる機会損失は長期間で見ると相当な金額になります。開業届は提出費用ゼロ、手続き時間30分程度です。フリーランスとして活動を始めた時点で速やかに提出することが、節税の出発点です。

帳簿付けの3つの基本と私の領収書整理の失敗談

複式簿記の仕組みを「借方・貸方」で怖がらない

青色申告65万円控除を受けるには、複式簿記での記帳が求められます。「借方・貸方」という言葉を聞いただけで拒絶反応を示す方が多いですが、実務上は会計ソフトが仕訳を自動生成するため、ルールを丸ごと暗記する必要はありません。

帳簿付けで押さえるべき基本は3点です。①取引の日付・金額・相手先を当日か翌日中に記録する、②プライベートと事業の口座・クレジットカードを分ける、③領収書はスキャンまたは写真で電子保存する(電子帳簿保存法に準拠)。この3点を守るだけで、決算期にかかる作業時間が体感で半分以下になります。

領収書を「袋に突っ込んでいた」私が痛い目を見た話

正直に書くと、私は開業初年度の前半4か月、領収書をコンビニのビニール袋に無造作に入れていました。「後でまとめてやればいい」という甘い考えで、気づいたら7月に袋が膨らんでいました。

8月に一気に整理しようとしたところ、日付が読めなくなったレシートが複数枚あり、金額の合計が帳簿と合わない状態に陥りました。当時の焦りは今でも覚えています。結局、該当月の銀行明細とクレジット明細を照合して何とか復元しましたが、そこで丸2日間が消えました。法人化せず節税できる10の方法|フリーランス必読

この失敗から私が実践するようにしたのが「週次の5分入力ルール」です。毎週月曜の朝、先週分の領収書をマネーフォワード クラウド確定申告のスマートフォンアプリで撮影→自動読み取り→仕訳確認という流れを5分で完結させます。週次で回すと月末にまとめてやる場合と比べて記憶が新鮮なため、科目の判断ミスが格段に減ります。

クラウド会計で65万円控除を取るまでの実際の手順

マネーフォワード クラウド確定申告を選んだ3つの理由

私が個人事業フェーズで使い、現在の法人でも継続しているのがマネーフォワード クラウド確定申告です。選んだ理由は主に3点あります。

第一に、銀行口座とクレジットカードを連携すると取引データが自動で取り込まれ、仕訳の大半をAIが提案してくれます。私の場合、月間の取引の約8割はAIの提案をそのまま承認するだけで完結しています。第二に、青色申告決算書と確定申告書B(現在は申告書第一表・第二表)の作成から、e-Taxでの電子申告まで一画面で完結します。65万円控除の要件である電子申告への対応もソフト内でガイドされるため、初めての確定申告でも手順を迷いにくい設計になっています。第三に、東京都内で民泊事業を運営している私にとっては、消費税・インボイスの管理もまとめてできる点が実用上の強みです。

なお、ソフトは収益の保証をするものではなく、あくまで手続きの効率化ツールです。節税効果は所得・経費の実態によって個人差があります。

65万円控除を初年度に取るための7ステップ

ここでこの記事のメインである7ステップを整理します。①開業届を提出する(開業日から1か月以内)、②青色申告承認申請書を提出する(開業日から2か月以内)、③事業専用の銀行口座とクレジットカードを用意する、④マネーフォワード クラウド確定申告などのクラウド会計を導入し口座連携する、⑤週次で仕訳を確認・修正する習慣をつける、⑥12月末に棚卸・減価償却などの決算整理仕訳を行う、⑦翌年2月16日〜3月15日にe-Taxで電子申告する。

このうち⑦でe-Taxを使うことが、65万円控除(電子申告加算分)の要件の一つです。紙で申告した場合は控除額が55万円になりますので注意してください(2020年分以降の改正後ルール)。⑥の決算整理仕訳は初年度にとって鬼門になりやすいため、不安な方は11月頃から税理士への相談を検討する価値があります。開業1年目の確定申告|注意すべき5つのポイント

まとめ:初年度の確定申告で後悔しないための行動リスト

7ステップのチェックリスト

  • 開業届を開業日から1か月以内に税務署またはe-Taxで提出した
  • 青色申告承認申請書を開業日から2か月以内に提出した
  • 事業専用の銀行口座・クレジットカードを準備した
  • クラウド会計ソフトに口座連携を設定し、週次入力を習慣化した
  • 領収書をスキャン・写真で電子保存し、電子帳簿保存法に対応した
  • 12月末の決算整理仕訳(減価償却・棚卸)を実施した
  • e-Taxで電子申告し、65万円控除の適用要件を満たした

AFP・宅建士の視点からあなたへ伝えたいこと

私がAFPとして、また現役の法人経営者として断言できるのは「初年度の確定申告は、準備の順番さえ正しければ難しくない」ということです。最初につまずく理由は知識不足よりも「手続きの順序を知らなかった」ことがほとんどです。

開業届・青色申告承認申請・クラウド会計の導入、この3点を最初の2か月で整えてしまえば、あとは週次5分の入力習慣が積み重なって自然と申告書が完成に近づきます。私が失敗した領収書の袋詰め問題も、マネーフォワード クラウド確定申告のスマートフォン撮影機能を使い始めた翌月から解消されました。同じ道を踏まないために、早めにツールを導入することをおすすめします。

初めての確定申告で不安が残る部分については、個別の税額計算や申告内容については税理士への相談を推奨します。ソフトの操作や制度の全体像はこの記事と下記ツールで補えますので、まずは無料登録から試してみてください。

無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告

筆者:Christopher(クリストファー)/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・フリーランスの資金相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、インバウンド向け民泊事業を運営中。実務と経営の両面からフリーランス・個人事業主の資金調達・節税情報を発信している。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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