個人事業主に戻るメリット5選|法人化後の私が試算したデメリット

法人から個人事業主に戻ることを検討している方は、想像以上に多いです。私自身も東京都内で法人を経営しながら、「もし売上が落ちたら即座に法人成り取りやめを考えるべき」という試算を毎年の決算ごとに繰り返しています。この記事では、法人 個人事業主 戻る メリット デメリットを、AFP・宅建士として実務に関わってきた経験をもとに整理します。均等割の負担や損益分岐点も具体的な数字で示しますので、年商700万円前後で悩む方はぜひ最後まで読んでください。

個人事業主に戻る5つのメリット

固定コストが大幅に削減できる

法人を維持するだけで発生する固定費は、多くの人が想定より大きいです。法人住民税の均等割(最低でも年7万円)、税理士への決算申告費用(一般的に年20〜30万円程度)、社会保険料の事業者負担分、登記関連の維持費。これらを合計すると、事業規模が小さい法人では年間50〜70万円以上が「利益ゼロでも出ていくコスト」として積み上がります。

個人事業主に戻ると、これらのコストのうちかなりの部分が消えます。均等割は不要になり、確定申告は青色申告で自力対応も可能です。税理士への依頼料も法人決算より安価になるケースが多く、固定費の圧縮という観点では個人事業主に戻ることは合理的な判断です。

手続きの煩雑さから解放される

法人の経理は個人事業主と比べてルールが複雑です。役員報酬の設定、議事録の作成、法人税・消費税の申告、社会保険の手続き。私が法人を立ち上げた当初、これらの事務作業だけで毎月5〜10時間ほど取られていました。その時間を本業に使えていたら、と正直思います。

個人事業主であれば、会計ソフトで収支を管理して青色申告すれば基本的には完結します。手続きのシンプルさは、特に一人で事業を回すフリーランスにとって大きなメリットです。法人成り取りやめを選ぶ理由として、この「手間の軽減」を挙げる方は私の経験上とても多いです。

均等割7万円の負担実例と私の法人経営での実体験

均等割7万円が「赤字でも発生する」現実

私が最初に法人の均等割という仕組みを実感したのは、法人設立2年目の決算を終えた後のことです。その年は民泊事業の立ち上げ直後で、インバウンド向けの物件整備に費用がかさみ、法人としての利益はほぼゼロでした。それでも法人住民税の均等割として7万円の納税通知が届いたときは、正直かなり衝撃を受けました。

均等割は、法人の所得に関係なく「法人が存在するだけで課税される」固定の地方税です。東京都の場合、資本金1,000万円以下・従業員数50人以下の法人であれば、法人都民税の均等割は年間7万円が一般的な目安です(詳細は都税事務所への確認を推奨します)。赤字法人であっても免除されないこの税負担は、売上が安定しない時期に法人を持つことの重さを改めて教えてくれました。

保険代理店時代に見てきた「均等割に気づかなかった」相談事例

総合保険代理店に勤めていた3年間で、個人事業主やフリーランスの資金相談を数多く担当しました。その中で複数回耳にしたのが、「法人化したはいいが、思ったより手元にお金が残らない」という悩みでした。

ある相談者の方は、年商が600万円程度の一人フリーランスで、節税目的で法人化したものの、均等割・社会保険の事業者負担・税理士費用を合算すると年間60万円以上が固定費として消えていたとのことでした。当時の私は保険の提案をしながら、「この方には法人成り取りやめを真剣に検討してもらうべきだ」と感じていました。個人を特定できない形でのエピソードですが、こうした事例は決して珍しくないというのが私の実感です。

法人解散の3つのデメリットと信用力への影響

法人解散には時間とコストがかかる

個人事業主に戻る判断をしても、法人を解散する手続きは簡単ではありません。株主総会での解散決議、官報への公告(費用は一般的に3〜4万円程度)、債権者への通知、清算手続き、解散・清算結了の登記。これらをすべて完了するまでに、一般的に2〜3ヶ月程度かかるとされています。

専門家(司法書士・税理士)に依頼する場合、報酬として15〜30万円程度の費用が発生することが多いです(規模や状況によって異なります)。「個人事業主に戻る」という決断の裏側には、この解散コストを先に払う覚悟が必要です。私は毎年の決算ごとにこのコストも加味した損益計算をしています。

融資審査での信用力低下は避けられない

法人から個人事業主に戻ることで、日本政策金融公庫などからの融資審査において信用評価が変わる可能性があります。法人には法人格があり、決算書の提出が義務付けられているため、事業の継続性・透明性を審査側が評価しやすい面があります。

一方、個人事業主は確定申告書が主な収入証明になります。創業直後や売上が不安定な時期は、融資審査で不利になるケースも考えられます。特に今後まとまった設備投資を予定している方は、法人解散のタイミングを融資の計画と合わせて考えることを私は強くお勧めします。独立1年目の失敗談|AFPが振り返る5つの反省点

戻すべき年商の損益分岐点と判断軸

年商700万円が一つの目安になる理由

法人と個人事業主のどちらが有利かを考えるとき、損益分岐点として年商700万円前後がよく目安として語られます(事業内容・経費構造・家族構成などで大きく異なります。個別の数字は必ず税理士に確認してください)。

理由は大きく2つです。1つ目は、法人税率と所得税率の交差点が年商・利益の規模によって変わること。2つ目は、社会保険料の事業者負担分が法人には発生するため、年商が低いほど法人コストが利益を圧迫しやすいことです。私の法人では、民泊事業の稼働率が下がった年に「このまま法人を維持するか」という試算を実際に行い、年商800万円を下回ったら個人事業主に戻ることを検討する、という自分なりの基準を設けています。

法人成り取りやめを検討すべき具体的なサイン

以下に当てはまる場合、法人成り取りやめを真剣に検討する価値があります。①均等割・社会保険・税理士費用の合計が年間50万円を超えているのに、法人格による節税効果が薄い。②法人名義での新規融資の予定が2〜3年以内にない。③役員は自分一人で、従業員もいない状態が続いている。

逆に、取引先が法人格を重視している場合や、今後事業を拡大する明確な計画がある場合は、法人を維持する方が長期的に有利なケースもあります。判断軸は「今の固定費」と「将来の事業計画」のバランスです。私は毎年12月に翌年の事業計画と照らし合わせてこの確認をルーティンにしています。会社員からフリーランスへ独立|3ヶ月の準備リスト

まとめ:個人事業主に戻る判断は「コストと計画」で決める

法人 個人事業主 戻る メリット・デメリットの整理

  • メリット①:均等割・社会保険・税理士費用など固定コストを削減できる
  • メリット②:手続きがシンプルになり、本業に集中しやすくなる
  • メリット③:赤字年でも発生する均等割の負担がなくなる
  • メリット④:青色申告特別控除(最大65万円)を引き続き活用できる
  • メリット⑤:事業規模に合った会計・税務体制にリセットできる
  • デメリット①:法人解散の手続きに時間とコスト(15〜30万円程度)がかかる
  • デメリット②:融資審査での法人格による信用力が失われる
  • デメリット③:再び法人化する場合は設立費用と手間が再発生する

開業届の提出はデジタルで完結させる

法人を解散して個人事業主に戻る際、税務署への開業届の提出は欠かせません。提出期限は事業開始日から原則1ヶ月以内です。以前は紙の書類を税務署に持参するのが一般的でしたが、現在はオンラインで開業届を作成・提出できるサービスが普及しています。

私が個人事業主の方々に勧めているのは、フォームに入力するだけで開業届を作成できるサービスを使うことです。記入ミスを防ぎ、青色申告承認申請書もあわせて作成できるものを選ぶと、その後の確定申告もスムーズになります。手続きの手間を最小化して、本業の立て直しに集中してください。

なお、開業届の提出と並行して、廃業後の健康保険の切り替え(国民健康保険への移行など)も速やかに手続きすることを推奨します。社会保険の変更は期限があるため、税理士や社会保険労務士への相談も選択肢に入れてください。

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筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・フリーランスの資金相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、インバウンド向け民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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