「YouTuberの経費って、どこまで落とせるの?」――これは、総合保険代理店に勤務していた頃、フリーランスのクリエイターから特に多く受けた質問です。2026年版として、私Christopher(AFP・宅地建物取引士)が5年間の実務相談と自身の法人経営経験から、YouTuber経費でおすすめできる7区分を整理しました。確定申告で否認されないための判断基準もあわせて解説します。
YouTuber経費の基本7区分――2026年版おすすめ整理
経費として認められる根拠は「業務との直接関連性」
個人事業主として活動するYouTuberが確定申告で経費計上できるのは、所得税法上「事業所得を得るために直接必要な費用」に限られます。この原則を押さえておかないと、後の税務調査で問題になります。
私が保険代理店時代に担当した相談者の中に、登録者数5万人規模のゲーム系YouTuberがいました。その方は、ゲーム機本体・ソフト代・マイク・照明・編集用PCをすべて「経費」として計上していたのですが、「プライベートでもゲームをする」という事実が問題になった事例があります。業務目的とプライベート目的が混在する場合には、後述する「按分」が不可欠です。
2026年時点でYouTuberが計上を検討すべき経費の7区分は次のとおりです。
- ① 機材費(カメラ・マイク・照明・PC・ゲーム機など)
- ② 通信費(インターネット回線・スマートフォン料金)
- ③ 家賃・光熱費(撮影スペース・在宅ワーク按分分)
- ④ 取材費・交通費(ロケ・外出取材にかかる費用)
- ⑤ 外注費(編集者・サムネイル制作・ナレーターへの報酬)
- ⑥ サブスクリプション費用(Adobe・BGM素材・クラウドストレージ)
- ⑦ 学習費・書籍代(動画制作・マーケティングに関する教材)
青色申告を選ぶと経費メリットが大きく変わる理由
個人事業主として確定申告を行う場合、青色申告と白色申告では節税効果に大きな差が出ます。青色申告特別控除(65万円控除)を受けるには、e-Taxによる申告と複式簿記による帳簿作成が条件です。
私自身、法人を立ち上げる前に個人事業主として青色申告をしていた時期があります。当時、クラウド会計ソフトを使って複式簿記に切り替えた結果、1年目の申告で課税所得を65万円圧縮できたのは体感として大きかったです。フリーランスのYouTuberが年収300万円〜500万円規模であれば、この65万円控除はクリエイター節税の基盤として特に重要な手段になります。
機材費の按分実例3つ――「全額経費」が危険な理由
按分率の考え方と実務上の目安
機材費の按分は、YouTuber経費の中でも否認リスクが高い項目です。按分とは、業務使用割合とプライベート使用割合を分けて、業務分だけを経費とする処理です。
実務上よく使われる按分の考え方を3つ挙げます。
実例①:ゲーミングPC(業務8割・私用2割)
動画編集・収録・サムネイル作成に使う時間が1日8時間、個人用途(SNS・ネット閲覧)が2時間という場合、按分率は80%です。購入額が15万円であれば、12万円が経費になります。ただし10万円以上の資産は減価償却が原則であるため、耐用年数(PCは一般的に4年)に応じた処理が必要です。
実例②:スマートフォン(業務6割・私用4割)
撮影・SNS発信・取材連絡に使う割合をログや通話履歴から根拠づけた上で、60%を通信費として計上します。月額1万円のプランなら6,000円が経費です。
実例③:ミラーレスカメラ(業務9割)
主に動画撮影専用で購入し、旅行等でも年に数回使うケースは9割按分が現実的です。購入価格20万円なら18万円が経費計上対象ですが、同様に減価償却の対象です。
10万円以上の機材は「減価償却」で複数年に分けて処理する
購入金額が10万円を超える機材は、原則として全額を購入年に経費計上できません。これを知らずに一括計上してしまうと、税務調査で修正を求められるリスクがあります。
なお、青色申告者は「少額減価償却資産の特例」を利用できます。これは2026年3月末(2025年度税制改正の動向を要確認)までの時限措置として、30万円未満の資産を購入年に全額経費計上できる制度です。年間の合計限度額は300万円。私も法人の決算でこの特例を活用しており、機材更新のタイミングを年度内に調整することで実質的な節税効果を出しています。詳細は担当税理士に確認することを推奨します。
通信費と家賃の按分基準――税務調査で狙われる2大ポイント
インターネット・スマホ料金の按分は「使用時間記録」が武器になる
通信費は税務調査でよく確認される項目です。自宅回線を業務とプライベートで共用している場合、「使用時間の割合」または「使用日数の割合」で按分するのが一般的な考え方です。
私が保険代理店時代に聞いた話で印象に残っているのは、副業でYouTubeを始めたばかりの20代の男性のケースです(個人を特定できない形で記載しています)。彼はスマホ代を全額経費にしていたのですが、動画更新が月2本ペース・業務連絡もほぼなしという実態から、按分率10〜20%が妥当と税理士に指摘されたそうです。「全額落とせる」という誤解は、確定申告後に問題になることがあります。
具体的な記録方法としては、Googleカレンダーや時間管理アプリで業務時間を週単位で記録し、月次で業務比率を算出する方法が有効です。記録があれば税務調査でも根拠を示せます。法人化せず節税できる10の方法|フリーランス必読
自宅兼事務所の家賃按分は「専有面積比率」が根拠になる
自宅で撮影・編集を行うYouTuberの場合、家賃や光熱費の一部を経費にできます。按分の根拠として使いやすいのが、部屋の面積比率です。
たとえば、50㎡の1LDKで10㎡の部屋を撮影・編集専用スペースとして使っているなら、家賃の20%が按分の目安になります。月々の家賃が15万円なら3万円、年間36万円の経費計上が可能になる計算です(一般的な目安であり、個人の状況により異なります)。
ただし、「専用スペース」としての実態が必要です。撮影部屋に布団を置いてあったり、家族と共用していたりする場合は按分率の根拠が弱くなります。私が東京都内で民泊事業を始めた際にも、事業用スペースと生活スペースの区分けを登記書類・写真・面積計算書で明確にしておく必要があることを実感しました。同じ考え方が、自宅兼スタジオのYouTuberにも当てはまります。
取材費が否認された失敗談――実務で見た経費計上の落とし穴
「旅行に行った=取材費」は通用しない
この章は、私が保険代理店時代に相談を受けた事例と、自身の経営経験を踏まえた内容です。
当時、旅Vlogを運営していたあるフリーランスのYouTuberから相談を受けました。その方は、国内旅行費用の全額(宿泊費・交通費・飲食費)を取材費として経費計上していました。ところが、税務調査で「動画の内容と旅行先の関連性が薄い」「家族同伴の旅行が含まれる」という理由で一部が否認されました。
取材費として認められるために必要な条件は、大きく3つです。第一に、チャンネルテーマと取材場所・内容の直接的な関連性。第二に、実際に動画として公開されていること(公開記録が証拠になります)。第三に、同行者が業務関係者である場合の根拠(業務委託契約書や出演者への報酬支払い記録など)。
この3点を事前に整えておくことで、取材費の否認リスクを大幅に下げられます。開業1年目の確定申告|注意すべき5つのポイント
外注費・サブスク費用で見落としやすい計上ミス
YouTuberがよく見落とす経費の一つが、Adobe Creative CloudやBGM素材サービス(Epidemic Sound等)などの月額サブスクリプションです。これらは動画制作に直接使うツールであるため、経費性は比較的明確です。しかし、クレジットカードの明細に埋もれて未計上になっているケースが多いです。
また、外注費(動画編集者への報酬など)を支払った際には、年間支払額が一人あたり5万円を超える場合、支払調書の作成が必要になることがあります。私自身、民泊事業でスタッフへの業務委託費を支払うようになった最初の決算時に、この処理を見落として顧問税理士に指摘された経験があります。「外注費を経費にする=それだけでOK」ではなく、支払先への税務上の手続きもセットで確認しておくべきです。
クラウド会計で経費管理する流れ――まとめとCTA
2026年のYouTuber確定申告で押さえるべき7ポイント整理
- ① 機材費は「業務使用割合」で按分し、10万円以上は減価償却を適用する
- ② 通信費・家賃は時間記録・面積記録を根拠にして按分率を文書化する
- ③ 取材費はチャンネルテーマとの関連性を公開動画で証明できる状態にする
- ④ 外注費は支払調書・業務委託契約書をセットで管理する
- ⑤ Adobe・BGM素材などのサブスク費は月次で漏れなく記帳する
- ⑥ 学習費・書籍代はチャンネルテーマとの関連を説明できるものに限る
- ⑦ 青色申告の65万円控除を活用するために複式簿記・e-Tax申告を維持する
クラウド会計で経費管理を自動化するのが2026年の現実解
YouTuber経費でおすすめ2026の観点から言うと、上記7区分を毎月手作業で記帳し続けることは現実的ではありません。私が法人経営で実際に使っているのがクラウド会計ソフトです。銀行口座・クレジットカードと連携することで、サブスク費用や外注費の支払いが自動で仕訳され、確定申告の作業時間を大幅に短縮できます。
私が個人事業主だった時期に最初にクラウド会計を導入した年は、それまで2週間かかっていた確定申告の作業が3日程度に短縮されました。按分率の入力・按分後の金額計算も、ソフト上で管理すると根拠の記録が残るため、税務調査への対応もしやすくなります。
フリーランスのYouTuberとして確定申告を効率化したいなら、クラウド会計ソフトの導入を検討する価値があります。特に無料プランから始められるサービスは、導入ハードルが低いためまず試してみることをおすすめします。個人の状況や事業規模によって使い勝手は異なりますので、専門家(税理士)への相談も併用してください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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