フリーランスへの独立を考えているあなたに、職種選びで失敗してほしくないという思いから、この記事を書いています。私はAFP・宅地建物取引士として大手生命保険会社と総合保険代理店で計5年間、個人事業主やフリーランスの資金相談を500人以上担当してきました。そこで見えてきた「稼げる職種」と「稼げない職種」の分岐点を、フリーランス ランキングという形で整理してお伝えします。
ランキングの選定基準と前提|何を軸に7職種を選んだか
年収水準・参入しやすさ・開業届の書きやすさの3軸
私がこのランキングを組み立てる際に使った軸は3つです。①フリーランスとして独立した場合の年収水準の目安、②スキル習得から実務開始までのハードルの高さ(参入しやすさ)、③開業届を提出する際に職業欄を迷わず書けるかどうか、です。
開業届の職業欄は、後述しますが意外なほど悩む人が多い項目です。保険代理店で相談を受けていた頃、「職業欄に何を書けばいいかわからなくて、開業届を出すのを半年先延ばしにしていた」というフリーランス志望の方が複数いました。職種と職業欄の書き方はセットで押さえておくべきポイントです。
なお、年収の数字は個人差があります。ここで示す金額はあくまで一般的な目安として捉えてください。実際の収入は受注単価・稼働時間・営業力によって大きく変わります。
個人事業主ランキングとしても使えるように設計した理由
フリーランスと個人事業主は厳密には異なる概念ですが、実務上は重なる部分が多く、開業届を出して活動するという点では同じです。今回のランキングは「フリーランスとして独立する」「個人事業主として開業する」どちらのケースにも対応できるように設計しています。
私自身、法人を経営しながらインバウンド向け民泊事業を東京都内で運営していますが、法人化する前は個人事業主として動いていた時期があります。その経験から言うと、個人事業主の段階でどの職種を選ぶかは、後の法人化の方向性にも影響します。職種選びを軽く考えないでほしいというのが、私の率直な気持ちです。
7職種を年収と難易度で比較|フリーランス職種ランキング
1位〜4位:年収400万円以上が狙いやすい職種
相談データをもとに整理すると、フリーランスの職種ランキング上位には次の4職種が並びます。
1位:ITエンジニア(システム開発・インフラ) 一般的な年収目安は500万〜900万円程度。クラウドソーシングでの単価も高く、フリーランス独立後に安定収入を得やすい職種です。スキルが客観的に評価されるため、実績を積みやすいのが特徴です。
2位:Webマーケター・SEOコンサルタント 年収目安400万〜700万円程度。私が保険代理店時代に相談を受けたフリーランス転向者の中で、この職種への移行者は収入が安定するまでの期間が比較的短い傾向がありました。数値で成果を示せるため、クライアントへの説明がしやすいことが理由の一つです。
3位:動画クリエイター・映像編集者 年収目安350万〜600万円程度。2020年以降に需要が急拡大しており、企業の動画広告需要はまだ伸び続けています。参入者が増えている一方、クオリティで差別化できる人材は依然として不足気味です。
4位:Webデザイナー 年収目安300万〜550万円程度。デザインツールの民主化が進み、参入障壁は下がっていますが、コーディングも扱えるデザイナーへの需要は高い水準を保っています。
5位〜7位:参入しやすさを重視した職種
5位:Webライター・コピーライター 年収目安200万〜400万円程度。参入しやすさという点では7職種の中でも高い部類に入ります。ただし、単価が低い案件に依存するとキャリアが停滞しやすいため、専門性を持った「専門ライター」への移行を早期に意識することが大切です。
6位:オンライン講師・コーチ 年収目安200万〜500万円程度。ZoomやUdemyなどのプラットフォームを活用した講師業は固定費を抑えやすく、個人事業主として始めやすい職種です。ただし集客力が収入を左右するため、SNS運用やメルマガなど情報発信の仕組み作りが不可欠です。
7位:翻訳・通訳者 年収目安250万〜500万円程度。語学力という参入障壁がある反面、一定水準のスキルがあれば安定的に受注できる職種です。私が東京都内でインバウンド向け民泊を運営している関係で日英の翻訳案件を外注した経験がありますが、良質な翻訳者の確保は発注側にとっても課題で、需要は底堅いと感じています。
私が開業届で迷った職種選び|2021年の失敗談
職業欄に「民泊業」と書いて税務署に修正を指摘された話
実際に失敗した時の話をします。2021年、私が東京都内でインバウンド向け民泊事業を本格始動させる前段階として、個人事業主として開業届を提出しようとした時のことです。
開業届の職業欄に「民泊業」と記入して提出したところ、後日、税務署の担当者から「住宅宿泊事業法に基づく事業の場合、職業欄の記載として『住宅宿泊事業』または『宿泊業』の方が適切です」という趣旨の連絡を受けました。軽い修正で済みましたが、正直なところ恥ずかしかったですし、「AFP資格を持っているのに基本的な書類でつまずくのか」と自分に呆れました。
この経験から言えるのは、開業届の職業欄は「世間一般の通り名」ではなく、「事業の実態に近い業種の標準的な表現」を使うべきだということです。迷ったら最寄りの税務署に確認するか、開業届作成ツールを活用して候補の表現を参照するのが確実です。
保険代理店時代に見た「職種選びで後悔した」相談者の共通点
総合保険代理店に在籍していた3年間で、フリーランス独立後に収入が安定せず、生命保険の解約や見直しを余儀なくされた方の相談を何件も受けました。個人を特定できない形で共通点を整理すると、大きく2つのパターンがありました。
一つ目は「好きだからという理由だけで職種を選んだ」パターンです。情熱は大切ですが、市場の需要と自分のスキルレベルを客観的に評価しないまま独立すると、半年以内に資金繰りが苦しくなるケースが多かったです。二つ目は「副業段階で収益が出たからそのまま独立した」パターンで、副業収入が本業並みになるまで継続できていなかった方は苦戦する傾向がありました。
フリーランス独立を考えているなら、副業で月20万円以上を3か月以上継続してから開業届を出すというラインを、私は相談者に目安として伝えていました。あくまで個人的な経験則ですが、参考にしてみてください。
500人相談で見えた稼げる分野|フリーランス年収を左右する要因
単価を決めるのは「専門性の深さ」と「再現性の見せ方」
保険代理店時代に接したフリーランス・個人事業主の相談者を振り返ると、年収500万円を超えている方には共通した特徴がありました。それは「自分の専門性を数値で語れる」という点です。
たとえば、Webマーケターであれば「施策実施後3か月でCVRを2.3倍に改善した」という実績の言語化、エンジニアであれば「Reactを使った大規模サービスの開発経験がある」という技術スタックの明示です。逆に年収が伸び悩んでいる方は「なんでもできます」という提案になりがちでした。
フリーランス年収を上げるためには、職種を絞り込んだ上で専門性を掘り下げることが、経験上、収益向上への近道です。独立1年目の失敗談|AFPが振り返る5つの反省点
フリーランス独立後に収入が安定する人が最初にやっていること
私が500人以上の相談を通じて気づいたのは、独立後6か月以内に収入が安定した方の多くが、独立前に「3社以上のクライアント候補と関係を作っていた」という点です。1社依存のフリーランスは、そのクライアントが予算を削った瞬間に収入がゼロになるリスクがあります。
また、開業届を提出するタイミングも重要です。開業届は事業開始から1か月以内に提出するのが原則とされていますが(国税庁の規定による)、実態として遅れて提出するケースも多く、青色申告特別控除(最大65万円)を活用するためには、青色申告承認申請書の提出期限にも注意が必要です。職種が決まったら、早めに開業手続きを進めることをすすめます。会社員からフリーランスへ独立|3ヶ月の準備リスト
職種別の開業届の書き方注意点|まとめとCTA
職種ごとの職業欄の書き方ポイント7選
- ITエンジニア:「ソフトウェア開発業」「システムエンジニア業」などが一般的。「プログラマー」でも通用しますが、開発範囲が広い場合は「システム開発業」の方が実態に合っています。
- Webマーケター:「インターネット広告業」「Webコンサルティング業」「マーケティングコンサルタント業」など。業務内容に合わせて選ぶことが大切です。
- 動画クリエイター:「映像制作業」「動画編集業」が定番。YouTubeチャンネル運営が主軸なら「コンテンツ制作業」でも問題ない場合があります。
- Webデザイナー:「Webデザイン業」「グラフィックデザイン業」が一般的。コーディングも手掛けるなら「Web制作業」でまとめる方法もあります。
- Webライター:「ライター業」「文筆業」「著述業」など。専門分野が明確な場合は「医療ライター業」「金融ライター業」のように付記することもできます。
- オンライン講師:「教育業」「講師業」「コーチング業」など。提供するサービスの形態によって適切な表現が変わります。
- 翻訳・通訳者:「翻訳業」「通訳業」がそのまま使えます。両方手掛ける場合は「翻訳・通訳業」とまとめて記載するのが一般的です。
今すぐ開業届を準備するべき理由と、使って便利だったツール
フリーランス独立を決めたなら、職種と職業欄の表現を固めた上で、できるだけ早く開業届を提出することをすすめます。理由は二つあります。一つは青色申告特別控除(最大65万円)の適用要件を満たすために申請書の早期提出が必要なこと、もう一つは開業届が提出済みであることが、クラウドソーシングや取引先との契約時の信頼につながるからです。
私が2021年に開業届を提出する際に職業欄の表現で迷った経験から、マネーフォワード クラウド開業届のような入力サポート付きのツールを最初から使っていれば、あの恥ずかしい修正指摘を避けられたと感じています。フォームに沿って入力するだけで開業届の書類が作成でき、職業欄の参考表現も確認しながら進められるため、初めて開業届を出す方には特に使い勝手が良いサービスです。税務署に持参する書類としてもそのまま活用できます。
フリーランス ランキングで紹介した7職種のどれを選ぶにしても、スタートラインは開業届の提出です。迷っている時間があるなら、今日中に開業届の準備を始めてください。専門家への個別相談も、複雑なケースでは有効な選択肢です。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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