個人事業主 開業 やることリスト|私が2021年に実行した10項目

個人事業主の開業やることリストを、実体験ベースで10項目にまとめました。私は2021年3月に開業届を提出し、その後インバウンド向け民泊事業を立ち上げて現在に至ります。AFP・宅地建物取引士の資格を持つ立場から、書類提出・口座開設・会計ソフト・保険切替まで、順序立てて解説します。読み終えたらそのままチェックリストとして使ってください。

開業届提出前の3つの準備

事業内容と屋号を先に決めておく

開業届には「職業」と「屋号」の記入欄があります。この2つを後回しにすると、提出当日に税務署の窓口で手が止まります。私が2021年3月に初めて開業届を書いたとき、職業欄を「不動産賃貸業」と書くか「民泊事業」と書くかで約30分悩みました。結果として「住宅宿泊事業」と記載しましたが、税務署の担当者に「民泊はこの表現が適切です」とその場でアドバイスをもらいました。事前に決めておけば迷わずに済んだ体験です。

屋号は法人名と違い登記が不要なので、後から変更する余地もあります。ただし事業用口座を屋号名義で作る場合、銀行に再申請が必要になるため、できるだけ開業前に固めておくことを強くすすめます。

開業日をいつにするか逆算して決める

開業届に記載する「開業日」は、提出日より過去に設定することができます。一般的には開業準備が整った日や、初めて売上が立った日を開業日とするケースが多いです。この開業日は青色申告承認申請書の提出期限にも直結するため、設定を誤ると青色申告の適用が1年ズレる可能性があります。

具体的には、青色申告承認申請書は「開業日から2ヶ月以内」に提出しなければなりません(1月1日〜1月15日に開業した場合は3月15日まで)。私は2021年3月1日を開業日とし、同月中に申請書を提出して間に合わせましたが、これを知らずに開業日を早く設定してしまうと期限を過ぎるリスクがあります。開業準備を進める段階で、この逆算スケジュールを必ず確認してください。

開業届と青色申告の同時提出

2枚セットで税務署に持参する

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と青色申告承認申請書は、同じ日に税務署へ持参して同時提出するのが手間を省くうえで合理的です。私は新宿税務署に直接出向き、2枚を一括で提出しました。所要時間は受付待ちを含めて約20分で、難しい審査はありませんでした。

なお、e-Taxを使ったオンライン申請も可能ですが、2021年当時の私はマイナンバーカードの読み取り環境が整っていなかったため、紙で提出しました。近年はマネーフォワード開業届のようなサービスを使えば、フォームに入力するだけで書類を自動生成・印刷できるため、手書きの転記ミスを防ぐ手段として有効です。実際に保険代理店時代の相談者の中に、手書き転記ミスで提出書類を返戻されたケースがありました。

青色申告で受けられる主な控除を把握する

青色申告の大きなメリットは、正規の簿記(複式簿記)で帳簿をつけた場合に最大65万円の青色申告特別控除が受けられる点です。白色申告と比較すると、課税所得の計算上で大きな差が生じることがあります(個人差があります)。

さらに、生計を一にする配偶者や家族を「青色事業専従者」として届け出ることで、支払った給与を必要経費にできる制度もあります。私が総合保険代理店に勤務していた頃、フリーランスの相談者の多くがこの制度を知らずに損をしていると感じる場面が何度もありました。開業届と同時に「青色事業専従者給与に関する届出書」の要否も確認することをすすめます。詳しい税務上の扱いは税理士への相談をおすすめします。

事業用口座と会計ソフト導入

プライベートと事業の口座を分ける理由

開業後すぐに事業専用の銀行口座を開設することは、帳簿管理の手間を大幅に減らす実践的な手順です。私は2021年4月にネット銀行で事業用口座を開設しましたが、これをしなかった最初の2ヶ月間、個人口座の明細から事業分だけを手作業で抜き出す作業に毎月2〜3時間かかっていました。

口座が分かれていれば、会計ソフトとのAPI連携で明細が自動取り込みできるため、記帳の手間が大幅に下がります。事業用クレジットカードも同時に申し込むと、経費の追跡がさらにシンプルになります。開業準備のタスクとして、口座開設とカード申込みを同じ週にまとめて処理することを私はすすめています。

会計ソフトは早期導入で年末の地獄を避ける

開業1年目に会計ソフトを導入しないまま過ごすと、翌年2〜3月の確定申告シーズンに12ヶ月分のレシートを一気に仕分けする羽目になります。これは実際に私が2021年末に直面した反省です。民泊事業の立ち上げに集中するあまり、10〜12月分の帳簿入力を年明けまで後回しにしてしまい、確定申告直前の1月末に3日間かけて過去3ヶ月分をまとめて処理しました。

会計ソフトはクラウド型が主流であり、銀行口座やクレジットカードとの連携機能が充実しているものを選ぶと、日々の記帳コストが抑えられます。個人事業主向けのプランは月額1,000円前後から利用できるケースが多く、税理士への記帳代行費用と比較すると費用対効果が高い選択肢になり得ます。独立1年目の失敗談|AFPが振り返る5つの反省点

社会保険と国保の切替手順

会社員を辞めて開業する場合の健康保険手続き

会社員から個人事業主に転じる場合、退職日の翌日から健康保険の被保険者資格を失います。その後は①国民健康保険への加入、②任意継続被保険者制度の利用、③家族の扶養に入るという3つの選択肢があります(状況により適用可否は異なります)。

私は民泊事業を法人化する前の個人事業主期間、国民健康保険に加入していました。東京都内の国民健康保険料は前年所得に連動するため、開業1年目は所得がゼロに近い場合でも均等割が発生します。退職後14日以内に住んでいる区市町村の窓口で手続きをする必要があるため、退職日が決まった段階でスケジュールに組み込んでください。任意継続と国保のどちらが有利かは所得状況によって変わるため、一般的な目安として「前年所得が少ない場合は国保が有利になるケースが多い」と言われていますが、個別の判断は専門家への相談をおすすめします。

国民年金の第1号被保険者への切替も忘れずに

会社員時代は厚生年金の被保険者(第2号)でしたが、退職して個人事業主になると国民年金の第1号被保険者に切り替わります。この手続きも退職後14日以内が原則です。保険料は2024年度時点で月額16,980円(一般的な目安)であり、前払いすると割引が適用されます。

私が総合保険代理店勤務時代に相談を受けた30代フリーランスの方が、この切替手続きを半年間放置していたケースがありました。未納期間が生じると将来の年金受給額に影響する可能性があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)は第1号被保険者であれば月額最大68,000円まで拠出でき、掛金が全額所得控除になります。国民年金の切替と同時期にiDeCoの加入も検討する価値があります。会社員からフリーランスへ独立|3ヶ月の準備リスト

私が開業1年目で失敗した点とまとめ

開業1年目に私が実際にやらかした5つのミス

  • 会計ソフトの導入が遅れた:開業当初の3ヶ月間、Excelで管理しようとして挫折。その後クラウド型に切り替えたが、移行作業に余分な時間がかかった。
  • 開業日の設定を深く考えなかった:後から青色申告承認申請書の期限を調べて「ギリギリだった」と冷や汗をかいた。
  • 事業用口座の開設を後回しにした:個人口座と混在した最初の2ヶ月間、仕分け作業に余計な工数がかかった。
  • 国民年金の切替手続きを後回しにした:退職から手続きまで3週間かかり、未納期間こそ生じなかったものの、手続き完了まで不安な状態が続いた。
  • 開業費の範囲を把握していなかった:開業前に支出したPCや名刺作成費用が「開業費」として任意償却できることを開業後に知り、申告前に慌てて領収書をかき集めた。

AFP・宅建士として資金相談に関わってきた経験から言うと、開業手続きの失敗の大半は「手順の順番を知らなかった」ことに起因します。情報を事前に揃えることで、多くは回避できます。

10項目チェックリストとおすすめの始め方

最後に、私が実際に実行した「個人事業主 開業 やることリスト」10項目を改めて整理します。①事業内容・屋号を決める、②開業日を逆算して設定する、③開業届を準備する、④青色申告承認申請書を準備する、⑤税務署へ2枚同時提出、⑥事業用銀行口座を開設する、⑦事業用クレジットカードを申し込む、⑧会計ソフトを導入する、⑨健康保険を切り替える、⑩国民年金を切り替えてiDeCoを検討する、という流れです。

開業届と青色申告承認申請書の作成にあたっては、フォームに入力するだけで書類を自動生成できるサービスを使うと、転記ミスや記入漏れを防ぐうえで有効です。私が2021年当時にこのようなサービスを知っていれば、税務署の窓口で30分悩む必要はなかったと思います。開業準備の第一歩として、ぜひ活用を検討してみてください。なお、個別の税務・社会保険の判断については、税理士や社会保険労務士など専門家への相談を強くすすめます。

フォーム入力で開業届を簡単作成!【マネーフォワード クラウド開業届】

筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・フリーランスの資金相談を多数担当。現在は東京都内で法人を経営し、インバウンド向け民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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