「民泊のインバウンド売上、実例を見せてほしい」という声をよく聞きます。私・Christopherは東京都内でインバウンド向け民泊を法人として運営し、2024年に月売上約30万円を安定的に達成しました。AFP・宅建士の知識と、保険代理店時代にフリーランスの資金繰りを間近で見た経験を活かし、数字と失敗談を包み隠さず公開します。
民泊インバウンド市場の現状を3行で把握
訪日外国人の回復と宿泊需要のギャップ
日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、2024年の訪日外客数は過去最高水準に達し、年間3,500万人を超えました。ところがホテルの客室供給はコロナ禍の廃業により都心部で慢性的に不足しており、特に東京・京都・大阪では繁忙期の予約が取れないケースが続出しています。
このギャップを埋めるのが民泊です。住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年に施行されてから6年が経過し、届出件数も全国で2万件超まで増加しました。しかし都内の優良物件はまだ競合が薄く、正しく運営すれば十分な売上を狙える市場環境にあります。
インバウンド客が民泊を選ぶ理由
私が運営する物件のゲストレビューを分析すると、インバウンド客が民泊を選ぶ理由として「キッチン付きで自炊できる」「ホテルより広い空間でグループ旅行しやすい」「地元の暮らしを体験したい」の3点が圧倒的に多いことがわかります。
この傾向は、欧米系・東南アジア系・中東系のゲストで共通しています。単価の高い欧米系ゲストはとくに長期滞在を好み、1回の予約で7泊〜14泊という案件も珍しくありません。平均単価を引き上げる意味でも、インバウンド集客は民泊の収益戦略として最優先で取り組む価値があります。
私が都内民泊で月30万円を稼いだ実例
物件スペックと収支の実数字
私が運営しているのは、東京都荒川区の2LDK・52㎡の区分マンションです。2023年初頭に住宅宿泊事業法の届出を取得し、Airbnbを主チャネルとして運営を開始しました。宅建士の資格を持っているため、賃貸借契約の内容確認や転貸条件の精査は自分で行いました。これが士業コストをゼロにできた大きなメリットです。
2024年1月〜12月の月次売上を平均すると、約29.8万円でした。内訳はAirbnb経由が全体の約78%、Booking.com経由が約18%、その他(直接予約)が残りの4%です。客室稼働率(OCC)は平均72%前後で、インバウンド比率は宿泊者全体の約85%を占めています。
主な費用を整理すると、賃料(家賃)が月9万円、清掃・リネン交換費用が月3.5万円(1回あたり3,500円×10回)、Airbnbの手数料が売上の約3%で約9,000円、水道光熱費が月1.2万円です。これらを合計した運営コストは月約14万円前後となり、粗利ベースでは月16万円ほどが手元に残る計算です。
立ち上げ時に直面した空室率60%の現実
最初の3ヵ月間、売上は月7〜8万円しかありませんでした。当時の私はプロフィール写真を自分のスマートフォンで撮影し、説明文も日本語メインで書いていました。これが最大の失敗です。インバウンド集客においてリスティング写真は命です。プロのカメラマンに依頼した費用は2万8,000円でしたが、掲載翌週から予約が入り始め、3ヵ月以内に稼働率は70%を超えました。
保険代理店で働いていた頃、フリーランスのWebデザイナーの方から「副業で民泊を始めたが全然予約が入らない」という相談を受けたことがあります。話を聞くと、写真と英語説明文の問題が原因で、チャネル戦略も考えられていませんでした。その時に私自身も「自分で始めたらどうするだろう」と考えていたのですが、いざ実践すると同じ失敗をしていました。現場で体験して初めてわかる痛みというのは、数字の勉強だけでは絶対に得られないものです。
売上を伸ばした価格設定3つの工夫
ダイナミックプライシングを自動化する
Airbnbには「スマートプライシング」という自動価格設定機能がありますが、私はこれを使っていません。代わりにサードパーティのダイナミックプライシングツールを月額約5,000円で導入しました。このツールは周辺競合物件の空室状況・イベント情報・季節変動を組み合わせてリアルタイムで価格を調整します。
実際に効果が出たのは2024年3月の東京マラソン前後です。通常の平日単価が7,500円のところを、ツールが自動的に14,200円まで引き上げました。結果、その週だけで売上が通常の約2倍になりました。プライシングを感覚でなくデータで動かすことで、民泊の売上は着実に上がります。
最低宿泊数(ミニマムステイ)の設定で清掃コストを圧縮する
民泊の運営コストで見落とされがちなのが清掃費用です。1泊ゲストが連続すると清掃回数が増え、1ヵ月で10回以上の清掃が発生することもあります。私は平日の最低宿泊数を2泊に設定し、週末の繁忙期は1泊OKにする戦略を取っています。
この設定に変えてから、月あたりの清掃回数は14回から9回に減少しました。清掃1回あたりのコストが3,500円なので、月1万7,500円のコスト削減になっています。売上を増やすだけでなく、コストを削ることで手残りは確実に増えます。2者間ファクタリングと3者間の違いと選び方
失敗談:法人均等割7万円を見落とした話
民泊を法人化するメリットと落とし穴
私は民泊事業を個人事業主ではなく法人として運営しています。法人化の理由は、インバウンド向け物件の賃貸借契約において法人名義のほうがオーナーに信用されやすいという実務的な背景と、節税面での優位性です。法人化すると役員報酬を設定でき、所得分散による税負担の軽減が可能になります。
AFP資格を持つ私が事前に税務シミュレーションをした上で法人化を決断しましたが、それでも見落としていたコストがありました。それが都道府県民税・市区町村民税の「均等割」です。法人は赤字であっても最低限の法人住民税(均等割)を納める義務があり、東京都の場合は年間約7万円が発生します。売上が立ち上がる前の初年度に予想外の出費となり、キャッシュフローが一時的に苦しくなりました。
法人化前に必ず確認すべき3つのコスト
この経験から、民泊の法人化を検討している方には事前に3つのコストを必ず確認してほしいと伝えています。1つ目は均等割(東京都では年約7万円)、2つ目は法人の税務申告を税理士に依頼する場合の顧問料(年20〜30万円が相場)、3つ目は社会保険料の法人負担分です。
個人事業主として民泊を始め、年商が一定水準を超えてから法人化するという段階的なアプローチが現実的です。保険代理店時代に、個人事業主のフリーランスが勢いだけで法人化してキャッシュショートしたという事例を複数見てきました。法人化は資金繰りの余裕が出てから動くべきです。フリーランスが副業収入で資金繰りを安定させた3つの副業
まとめ:民泊で売上を作る5ステップ
月30万円に近づくための行動チェックリスト
- 住宅宿泊事業法の届出を取得し、法令順守を徹底する(無届け営業は即アウト)
- プロカメラマンによる物件写真と英語・多言語の説明文をAirbnbに掲載する
- ダイナミックプライシングツールを導入し、イベント・季節に応じた価格最適化を行う
- 最低宿泊数を設定して清掃コストを抑え、粗利率を高める
- 法人化を検討する場合は均等割・税理士費用・社会保険料を事前にシミュレーションする
民泊の売上が安定するまでの資金繰りをどう乗り切るか
民泊の売上は立ち上げ初期に不安定になりがちです。私自身、最初の3ヵ月は月7〜8万円しか入らない中で賃料9万円を払い続けた経験があります。この時期を乗り越えるためには、手元資金の確保と並行して、収入の変動リスクをヘッジする手段を持つことが重要です。
特にフリーランスや個人事業主として副業で民泊を始める場合、本業の報酬サイクルと民泊収入のタイミングがかみ合わず、一時的なキャッシュ不足に陥るケースは少なくありません。そういった場面で、本業の報酬を先払いで受け取れるサービスを活用するのは有効な選択肢の一つです。
資金繰りの選択肢として検討してほしいのが、以下のサービスです。登録・利用は無料で、フリーランス・個人事業主を対象に請求書の報酬を最短即日で先払いしてもらえます。民泊の収益が軌道に乗るまでのつなぎとして、ぜひ活用を検討してみてください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。
【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆
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